【相談事例】預貯金の使途が不明になった事例
ご相談者属性
50代 男性
親が亡くなり、その預貯金をみたところ、使途が分からない出金が多数あった。
ご相談の背景
ご相談者様の親がお亡くなりになり、その預貯金をみたところ、使途が分からない出金が多数ありました。親の預貯金を管理していたのは、ご相談者様の兄で、兄に使途を尋ねてみたものの、あいまいな回答ばかりで、しまいには怒り出してしまいます。
弁護士へのご相談内容と弁護士による回答
ご質問1
ご質問:
「使途が分からない預貯金の出金が多数あります。遺産分割で調整したいと思います。」
弁護士による回答:
遺産分割というのは、死亡時点での残高をどのように相続人間で分けるかを話し合うものです。これに対し、生前や死亡後の出金等は、死亡時点での残高ではありませんから、厳密にいうと、遺産分割の問題ではありません。平たく言うと、生前や死亡後の出金等が正当なものでなかった場合には、これらの出金が実質的には無効であり、死亡時点での残高に加算する、といった処理をすることが多いでしょう。いわゆる使途不明金と呼ばれる問題になります。
遺産分割と使途不明金を一緒に解決すべく、示談交渉するケースも多くあります。
ご質問2
ご質問:
「使途不明金についての兄の説明に納得がいきません。争いたいと思っています。」
弁護士による回答:
遺産分割がもめると、家庭裁判所の遺産分割調停を利用することになります。これに対し、使途不明金がもめると、地方裁判所の訴訟を利用することになります。家庭裁判所と地方裁判所は別ですから、双方での手続が必要となり、時間と労力、費用を要することになります。
ご質問3
ご質問:
「使途不明金を地方裁判所の訴訟で争う場合、どのくらいの時間と費用がかかるのでしょうか。」
弁護士による回答:
訴訟案件として処理します。
時間は1年程度を要することが多いでしょう。もっとも、訴訟におけるほとんどの期日は、当事者ご本人の出頭は要求されておらず、代理人弁護士のみが出頭すれば足ります。
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