【相談事例】遺言執行者とは
ご相談者属性
50代 女性
父が亡くなったが、遺言書が出てきた
遺言書には遺言執行者を指定するという記載がある
ご相談の背景
ご依頼者様の父親がお亡くなりになり、遺言書があることが発覚しました。
遺言書には遺言執行者として弁護士を指名するという記載があります。
遺言執行者とは何でしょうか？
弁護士へのご相談内容と弁護士による回答
ご質問1
ご質問：
「遺言執行者とは何でしょうか。」
弁護士による回答：
遺言執行者は、遺言内容を実現する役割を負う人のことをいいます。
遺言者が遺言で遺した内容がきちんと実現するように、遺産目録の作成や預貯金の払戻し、相続人への分配、不動産の名義変更、寄付などを行います。
ご質問2
ご質問：
「遺言執行者は、どのような役割を担い、どのような権限をもつのでしょうか。」
弁護士による回答：
遺言執行者には、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言執行に必要な一切の行為をする権限が認められています。
具体的には、以下のような権限をもちます。
・相続人調査・相続財産調査
・財産目録の作成
・貸金庫の解錠、解約、取り出し
・預貯金払い戻し、分配
・株式の名義変更
・自動車の名義変更
・不動産の登記申請手続き
・寄付
・子どもの認知
・相続人の廃除とその取り消し
・保険金の受取人変更
なお、相続税の申告は、相続人の義務とされていて、遺言執行者の権限には含まれません。
ご質問3
ご質問：
「遺言執行者から、相続人宛てに連絡等がくるのでしょうか。」
弁護士による回答：
遺言執行者が就任すると、相続人へ通知しなければならないとされています。したがって、遺言執行者から連絡等が来ることになります。
・通知の時期：遺言執行者が就任したとき、相続人から請求があったとき、遺言執行が終了したとき
・通知すべき人：遺言執行者
・通知先：相続人全員
・通知する内容：遺言執行者に就任したことや遺言内容、遺言執行者として行った職務の内容や結果など
ご質問4
ご質問：
「なぜ遺言執行者など指名していたのでしょうか。」
弁護士による回答：
遺言執行者が指名されていると、遺言内容が実現しやすくなるというメリットがあります。
各種手続も実行してくれますから、その意味でもメリットがあるといえます。
誰が相続手続を実行するのか、迷ったり、相続人間で争いになることもなくなるメリットもあります。
最後に
そもそも遺言書を作成する場合、遺言執行者を指名しておくことをお勧めします。
遺言執行者は弁護士を指名することもできますから、弁護士に相談することをお勧めします。
この記事を担当した執筆者
- 松本直樹法律事務所 代表弁護士 松本直樹
-
保有資格 弁護士資格 専門分野 相続問題全般、離婚、企業法務 経歴 1976年
神奈川県川崎市生まれ
1995年
早稲田大学付属高等学院 卒業
1999年
早稲田大学法学部 卒業
2010年
慶応義塾大学法科大学院 終了
2011年
松本直樹法律事務所 開設
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弁護士法人松本直樹法律事務所の
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