【相談事例】負債があるが相続放棄しない場合

ご相談者様
40代
男性
ご相談の背景
父が亡くなり、不動産や預貯金等の遺産があります。
不動産は現在私が居住しているのですが、父の住宅ローンも残っています。
私が不動産と住宅ローンを引き継ごうと思っているのですが、どのように相続手続や遺産分割協議をすればよいのでしょうか?
弁護士へのご相談内容と弁護士による回答
ご質問1
「父親名義の不動産に私が居住しており、私が引き継ごうと思っています。ただし、住宅ローンも残っています。その場合、どのように処理すれば良いのでしょうか?」
弁護士による回答
不動産の相続手続だけでは足りません。
住宅ローンが残っている場合、単に父親名義の不動産を相続するだけでは不十分です。
通常、①不動産の相続(名義変更)と、②住宅ローンの承継(債務承継又は借換など)を同時に調整する必要があります。
ご質問2
「教えていただいた①と②は、相続人で話し合えば良いのでしょうか?」
弁護士による回答
ローン契約上の名義を変更することになります。
相続人全員の話合いだけでなく、「金融機関の承認」が必要となります。
不動産を相続しても、金融機関が同意しなければローンの債務者名義は変わりません。
なお、金融機関は以下の点を審査します。
・相続人の収入や返済能力
・団体信用生命保険(団信)の取扱い
・保証人の変更が必要か など
勝手に名義変更できるものではない点に注意が必要です。
ご質問3
「住宅ローンが残っている場合に、免除されることはないのでしょうか?」
弁護士による回答
団体信用生命保険が利用できるケースがあります。
お父様が団体信用生命保険(団信)に加入していた場合、
死亡時点でローン残債が弁済(0円になる)され、不動産の所有権だけが残ることがあります。
この場合、相続人がローンを引き継ぐ必要がないため、手続は比較的スムーズです。
逆に、団信に加入していない場合や、対象外事由で団信が利用できない場合は、債務をどう扱うかが問題になります。
ご質問4
「このようなケースで、相続人間でトラブルになるのは、どのような場合でしょうか。」
弁護士による回答
ご自宅は自分が取得するが、ローンだけ家族に残してしまうという状態は、他の相続人から不公平とみられ、争いの火種になります。
そのため、
・不動産取得者がローンも引き継ぐ
・代償金の支払方法を調整する
など、全体のバランスを考えた遺産分割が必要です。
ご質問5
「どのように対応していくのが良いでしょうか?」
弁護士による回答
一般的には、次のような流れで進めることが多いです。
1 相続人間で、自宅を誰が取得するか合意
2 団信の確認
3 金融機関へ相談(承継・借換可能性の確認)
4 必要に応じてローン契約の変更
5 不動産登記(名義変更)
不動産・金融・相続登記が絡むため、専門家へ相談しながら進めるのが安心です。
遺産となっている不動産に居住することを希望する場合は、早めの相談がとても重要です。
実際には、兄弟が売却を希望する、ローン名義変更が認められない、代償金が支払えないなどの事情により、住み続けられなくなるケースもあります。
「住み続けたい」を実現するには、早い段階での戦略設計が必要です。
住宅ローンがからむ相続は、不動産単体の話ではなく、債務処理を含めた総合判断が不可欠です。
宇都宮市の弁護士法人松本直樹法律事務所では、このような事例に関する解決事例が多数ございます。ぜひご相談ください。



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