【相談事例】生前贈与を受け取っていた相続人による遺留分請求
ご相談者属性
50代 男性
父親が亡くなり、二女が遺留分を請求してきたが、二女は多額の生前贈与を受け取っていた場合の処理
ご相談の背景
父親が亡くなり、長男がすべての遺産を取得するという遺言書がありました。
このような場合、他の相続人、本件では二女に遺留分という最低限の保障があります。ただし、本件では二女が多額の生前贈与を父親から受け取っていました。二女は遺留分を請求していますが、生前贈与を考慮しないのも不公平だと思っています。
弁護士へのご相談内容と弁護士による回答
ご質問1
ご質問:
「二女の遺留分請求は認められるのでしょうか。」
弁護士による回答:
遺留分は法定相続人に認められている最低限の取り分です(兄弟姉妹は除きます。)。遺留分を侵害された場合、二女は遺留分請求をすることができます。
ご質問2
ご質問:
「二女に認められている遺留分は、どの程度の割合なのでしょうか。」
弁護士による回答:
①法定相続分に②遺留分の割合を掛けます。
まず、①本件の法定相続分は、例えば、法定相続人が母親と子二人だったとすると、母親が2分の1、子が各4分の1となります。
次に、②遺留分は以下のとおりです。
法定相続人が配偶者や子どもなどの場合は、2分の1が遺留分です。
法定相続人が直系尊属(親など)のみである場合は、3分の1が遺留分です。
本件の場合、子(二女)ですから、2分の1です。
したがって、①4分の1に、②2分の1を掛けて、二女に認められる遺留分は8分の1となります。
例えば、8000万円の遺産があった場合、二女に認められる遺留分は1000万円ということになります。
ご質問3
ご質問:
「法律上の権利が二女にあることは理解しましたが、二女は父親より多額の生前贈与を受け取っています。私が父親から生前贈与を受け取ったことはありません。それでも、二女の遺留分が認められてしまうのでしょうか。」
弁護士による回答:
たしかに、二女にそのまま遺留分の全額を認めると、逆に不公平になることがあります。
法律上は次のとおり規定されています。
・相続開始前1年以内になされた贈与は「遺留分を算定するための財産の価額」に加算する
・相続開始より1年以上前になされた贈与であっても、当事者双方が遺留分権利者に損害を与えることを知って贈与をしたときは、「遺留分を算定するための財産の価額」に算入する
ただし、遺留分を算定するための財産の価額に加算される生前贈与(特別受益)とされるためには、次の限定があります。
①婚姻、養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与であること
②相続開始前の10年間にしたものであること
本件では二女が受けていた生前贈与がどのようなものであったか検討していくことになります。
最後に
このように、特別受益にあたる生前贈与がなされている場合には、若干複雑な検討が必要となります。遺留分の問題や、生前贈与の問題がある場合には、ぜひ弁護士へご相談ください。
宇都宮市の弁護士法人松本直樹法律事務所では、このような事例に関する解決事例が多数ございます。ぜひご相談ください。



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