【相談事例】生前贈与がある場合の遺産分割方法

ご相談者様
60代
女性
ご相談の背景
父親が亡くなり、遺産分割をする必要があります。
もっとも、父親から生前に贈与してもらっている兄弟がいます。
このような場合、遺産のみを協議することになるのでしょうか。それとも、生前贈与を含めて協議することになるのでしょうか。
弁護士へのご相談内容と弁護士による回答
■ご質問1
「生前贈与があると、遺産分割はどのように変わりますか?」
■弁護士による回答
前に特定の相続人が財産を受け取っていた場合、それを「特別受益」として扱い、遺産分割の際に考慮します。公平性を保つために、贈与分を相続分から差し引いて計算するのが基本です。
■ご質問2
「特別受益」とは何ですか?
■弁護士による回答
被相続人から相続人に対して、
・結婚や養子縁組のための支度金
・住宅取得や開業資金などの生計の基礎となる贈与
・遺言による贈与(遺贈)
が行われた場合を指します。
単なる生活費の援助や病気治療費などは、通常は特別受益とはされません。
■ご質問3
「特別受益はどのように計算されるのですか?」
■弁護士による回答
次の手順で計算します。
① 被相続人の残っている財産に、生前贈与分を加えて「みなし相続財産」を算定。
② その総額に基づき、各相続人の法定相続分を計算。
③ 贈与を受けた相続人については、その受け取った額を差し引いて実際の取り分を決めます。
■ご質問4
「被相続人がこれは考慮しなくてよいと言っていた場合も、持ち戻しされますか?」
■弁護士による回答
被相続人が生前または遺言で「持ち戻し免除」の意思を示していた場合、その贈与は特別受益として扱わず、持ち戻し計算をしないことができます。
■ご質問5
「すごく昔に受けた贈与も特別受益になりますか?」
■弁護士による回答
はい。特別受益に時効はなく、数十年前の贈与でも遺産分割時に考慮される可能性があります。
もっとも、金額や性質によっては特別受益と認められないケースもあります。
■ご質問6
「贈与された不動産が値上がりや値下がりしていた場合は、どのようになるのでしょうか?」
■弁護士による回答
贈与財産は「相続開始時の時価」で評価します。
たとえば、土地を20年前に贈与されていた場合でも、相続開始時点の価格で計算されます。
■ご質問7
「配偶者が自宅を贈与された場合でも、特別受益になりますか?」
■弁護士による回答
婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産を贈与または遺贈した場合は、法律上「持ち戻し免除」の意思表示があったものと推定されます。
つまり、原則として、遺産分割時に持ち戻し計算の対象にはなりません。
■ご質問8
「遺産分割で、特別受益を考慮しないことはできますか?」
■弁護士による回答
はい。相続人全員が合意すれば、贈与を考慮しない形で遺産分割をすることも可能です。
ただし、不公平感が残りやすいため、後にトラブルとなるケースもあります。
■ご質問9
「生前贈与と遺留分侵害額請求の関係を教えてください。」
■弁護士による回答
生前贈与が一部の相続人に偏っていて、他の相続人の遺留分(最低限の取り分)を侵害する場合、他の相続人は遺留分侵害額請求が可能です。請求期限は相続開始から10年以内、または侵害を知ってから1年以内です。
■ご質問10
「生前贈与がある場合、弁護士に相談するメリットは?」
■弁護士による回答
・贈与が「特別受益」に当たるかどうかの判断
・正確な持ち戻し計算のサポート
・相続人同士の協議・交渉の代理
・遺留分請求への対応
など、専門的な支援を受けることで、公平かつスムーズな遺産分割を進めることができます。
生前贈与がある相続は、感情的な対立や複雑な計算が絡みやすい分野です。早めに法律専門家にご相談いただくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
宇都宮市の弁護士法人松本直樹法律事務所では、このような事例に関する解決事例が多数ございます。ぜひご相談ください。



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