家族信託は遺留分の対象になる?

【弁護士が解説】家族信託は「遺留分」の対象になる?知っておくべき最新の裁判例と注意点
「認知症対策として家族信託を検討しているけれど、他の親族から遺留分(いりゅうぶん)を請求されて揉めることはないだろうか?」
近年、柔軟な財産管理ができる方法として注目されている家族信託。しかし、遺産の分け方をめぐる強力な権利である遺留分との関係については、実は法律のプロの間でも議論が分かれる複雑なテーマです。
この記事では、家族信託の基本から、気になる遺留分との関係、そして知っておくべき重要な裁判例について、弁護士が分かりやすく解説します。
そもそも家族信託とは?
家族信託とは、一言でいうと信頼できる家族に、自分の財産の管理や処分を任せる仕組みのことです。
例えば、高齢の親(委託者)が、自分の持っている不動産や預貯金の管理権を、信頼できる子(受託者)に託します。そこから得られる利益(家賃収入や生活費など)は、これまでどおり親(受益者)が受け取ります。
メリット
親が認知症になって銀行口座が凍結されても、子が代わりに財産を管理・処分できるため、実家の売却や介護費用の捻出がスムーズになります。
家族信託は遺留分の対象になるのか?
結論から言うと、家族信託が遺留分の対象になるかは、状況や信託の組み方(設計)によって異なります。
そもそも遺留分とは、配偶者や子どもなどの法定相続人に最低限保障されている、遺産の取り分のことです。遺言や生前贈与によって、特定の子どもだけに全ての財産が渡るような場合、他の子どもは「自分の最低限の取り分(遺留分)を返してほしい」と請求することができます(遺留分侵害額請求)。
家族信託を使った場合、「これは生前贈与や遺言と同じだから、遺留分の対象になる」とされるケースもあれば、「信託という特殊な仕組みだから、遺留分の対象外だ」とされるケースもあり、判断が難しいことがあります。
家族信託と遺留分をめぐる判断
実際に、過去の裁判ではどのように判断されたのでしょうか。対照的な2つの判断があり得ます。
① 家族信託は遺留分の対象外とされる例
信託の契約内容や目的が適正であり、公序良俗に反しないと判断されたケースでは、家族信託が遺留分の対象外(影響を受けない)とされる可能性があります。
具体的には、信託によって得られる権利(受益権)の価値の計算方法や、信託財産そのものが直接的な贈与とはみなされない性質を持っている場合などです。
ただし、これを狙って「他の親族に財産を渡さないために、わざと家族信託を使って隠す」というような悪質なケースでは、否定され、遺留分の対象とされることもあり得ます。
② 家族信託は遺留分の対象とされる例
実質的に「遺留分を免れる目的」で組まれた家族信託は、遺留分の対象になる、とされます。
相続対策で弁護士を利用するメリットとは?
家族信託は非常に強力なツールですが、上記のように設計を誤ると、後から「遺留分トラブル」に発展するリスクがあります。弁護士に相談することで、このようなリスクを最小限におさえることが可能になります。
相続対策でお悩みの方は当事務所へご相談を
家族信託は、認知症対策や財産承継の素晴らしい切り札になりますが、一歩間違えると親族間の大きな火種になってしまいます。
「我が家の場合は家族信託ができる?」「遺留分で揉めないか心配」という方は、ぜひ一度、弁護人法人松本直樹法律事務所へご相談ください。専門の弁護士が親身になってお話を伺います。
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